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  • 執筆者の写真小森智文

能登半島地震とBCP

 元日から、能登半島で大きな地震があり、被災された方々が一日でも早く、もとに近い生活に復旧できるように切望します。


 私は、長兄の障害者入所施設の家族会役員と顧問を兼務していることもあり、家族会の会長の代理として、兵庫県知的障害者施設家族会連合会 (https://h-kazoku.ivory.ne.jp/ 以下、ひょうごかぞくねっと)の研修や評議会にも参加しております。

 ひょうごかぞくねっとは、兵庫県内にある全ての知的障害者施設を利用する知的障害者の福祉の向上を図り、その豊かな生活と権利を護ることを目的として設立された団体です。設立から60年以上が経ち、利用者家族の高齢化に伴い、施設単位の家族会が解散するなど、今後の運営面でも厳しくなりつつありますが、障害者1人で行政や政府に対して要望を言っても、なかなか通じないことも、このような団体を通じての陳情を行えば、無視する訳にはいきませんので、是非、興味のある方は、参加をお願いします。



 そのひょうごかぞくねっとより、能登半島地震での障害者の方々の情報をまとめたサイトの一覧が送られてきました。

 その中から、NHK福祉情報サイト(https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/888/)をご紹介したいと思います。

 このサイトでは、障害福祉施設の被災状況などが紹介されています。障害を持たない方でさえ不安な状況下、障害を抱えた方々にとっては、より一層大変な状況にあります。そして、特に入所施設の場合は、そこで生活をされている障害者の方々の日々の支援をする職員も、自身が被災者でありながら、勤務しなければならないという状況があります。


 今年度中に、障害者施設では事業継続計画、いわゆるBCPを作成しなければならないということになっております。私も顧問先のBCPを作成し、入所施設のグループホームについては、事業の中でも最優先の事業所という位置づけで作成をしました。ただ、これ程までの大災害に見舞われてしまうと、そのBCPは全く役立たないことになってしまいます。

 行政は、施設の利用者の数や職員の配置人数などを細かく定め、定員超過はしていけない、職員は必要人数を確保しなければならないと定めていますが、こういう時こそ、先頭にたって、利用者の一時的な受け入れ先を手配したり、他府県から支援できる方々を募って、被災した職員の方々にも休息や復旧できるような体制づくりをしてもらいたいと思います。

 各事業所ごとのBCPを作成しても、行政が大規模災害が発生した時に、どのように対処するかということを予め定めておかなければ、結局絵に描いた餅にしかならなず、一番困るのは利用者や、責任感の強い職員ということになってしまいます。


 私の母が自宅で父を介護していた時に、阪神大震災が起き、市の職員に「介護が必要な人の避難所はどこか?」と尋ねたところ、「ない」と言われ、渋々自宅で介護を続けたということを聞きました。

 明後日で、阪神大震災から29年、その間にも多くの震災が起きております。事業者だけに、BCPなどの策定を義務付けるだけの政策ではなく、こういう時に過去の経験を活かすような具体的な方策を行政側が定めるように、変わっていただきたいと望むは私だけでしょうか?

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