相続手続きは、色々な事例が出てきますので、日々研鑽に努めています。
この前、相続の資料を読んでいた時に、「二重相続資格者」という言葉が出てきました。簡単に言えば、一人の方が亡くなった時に、二人分の相続人の資格を有する人のことです。
文書だけでは、なかなか理解できないと思いますので、相関図でご紹介します。
相続税対策として、孫を養子に迎えていた家族で、ご主人が亡くなった場合、法定相続の割合は、配偶者である奥さんが1/2、子供たち3人で1/2を分けることになりますので、各人1/6ずつになります。
次に、ご主人が亡くなる前に、長女が亡くなっている場合です。
この場合、孫は長女の代襲相続人という立場と、養子として子供の立場の2つの相続する権利を取得します。そのため、1/6の権利を2人分受け継ぐことになりますので、最終的に1/3になります。これが、二重相続資格者です。
なかなか、この事例に遭遇する可能性は低いと思いつつも、面白い事例で、見落としがちになりやすい事例だなと思い、ご紹介させていただきました。
上記の例は、民法上の法定相続の割合を示したものです。事前に、遺言書を準備したり、相続人間の遺産分割協議で、相続人が納得さえすれば、このような分け方をする必要はありません。
なお、孫を養子に迎えた場合は、相続税の2割増し加算の対象になります。税務のことは、我々行政書士は関与できませんので、詳しいことは税理士に確認してください。
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