9月末から今月に掛けては、私の業務の中では、成年後見月間と言わんばかりの状況でした。
9月末のある一日は、6月に候補者打診を受けた方の裁判所調査官の電話面談が午前中に、午後からは新規で候補者打診を受けた方との初顔合わせがありました。そのお二方ともに徒歩圏内の方で、私の事務所からは尼崎市内であっても、対角線上に遠い場所です。
これまでは、縁もゆかりもなく、一度も行ったことはなかったのですが、昨年から通い始め、この周辺だけで5件
の成年後見等事案を抱えることになります。
この5件のうち別の1件の方は、外出して買い物をすることはできるものの、軽度の認知症のせいなのか、金銭管理ができず、私が補助人に就任した1年半前はかなりの負債を抱えておりした。その方を見守っている地域包括の方からは、家の中はかなり荒れ果てたということを聞いていましたが、お住いの団地が近い将来取り壊すこともあり、本人を含めた支援者チームで話し合った結果、最終的に転居をした方が良いということになりました。
近くの市営団地へと引越し先も見つかり契約をし、いざ引越の業者を手配するためにも、自宅を訪問したところ、自宅の散らかりようは想像以上のものでした。
そのため、引越というよりは、片付け業者に依頼しなければならず、お仏壇等の必要最低限だけを新居に移し、それ以外の生活必需品は、買い揃えるという段取りをすることにしました。
ご本人が新居用の家財道具の受け取りなどを行ってもらえれば楽なのですが、なかなかそういう訳にもいかず、私が家電や家財道具一式を手配し、受け取って組み立てたり、また、現在住んでいる団地と転居先の団地の自治会長への挨拶、そして、このような状態に陥らないようにするために、介護ベッドの契約やヘルパーを週に2回来て掃除をしてもらい、デイサービスに通ってお風呂に入ってもらうことができるように手配を進めました。
ご本人を含めた支援者会議で話し合って進めていますが、本当にこれが満足してもらえる内容なのかが分かるのは、随分先になってしまうと思います。
また、別件で若い方の保佐人に就任し、初回面談のときから、ご本人はスマホを持ちたいという気持ちが強く、一生懸命貯金をしてこられたとのことでした。
ご本人の希望はiphoneということですが、私は基本的にAndroid端末しか利用して来なかったことから、何を基準に選べば良いのかも分からず、家電量販店に行って、端末の違いやプランなどを確認しました。
あるキャリアを契約しようとしたところ、保佐人としての代理権があるにも関わらず、その会社では代理人だけでの手続きは行っていないという時代と逆行したような対応でした。そのキャリアのホームページには代理人でも手続きができるようになりましたという記載があったにも関わらず、店舗で確認すると、このページは古いものだというでは主張されました。それならば、そのようなページは削除すべきでしょうし、これから高齢者も増え、自身では契約できないような方も見据えた対策を行うようにしてもらいたいものです。
ご本人が生活している施設の職員の方に日程調整等をしていただき、ご本人も一緒に店頭まで出向いてもらうことにしました。そして、事前予約もして、機種や契約プランを書いて送ったにも関わらず、その機種は店頭在庫としてないというのが2日前になって連絡が入り、もっと早く連絡してくれれば、インターネットで購入して手配をしたのにという思いもありつつ、たまたま翌日大阪に行く予定があったので、その時に端末を購入して、何とか契約をできるような環境を整えました。正直、面倒な手続きが掛かる顧客は、契約手続きを避けたいというようにしか、感じられませんでした。
契約を行った際も、本人確認書類を手帳に入れていて、印字された文字がビニールシート引っ付いて、原本を見ても文字が不鮮明ということで、本人確認書類としては認められないと言われてしまいました。これは手帳発行者の行政側にもそのようなことにならないように配慮をしてもらいたいですし、店頭に本人まで連れてきているという実情から、そのキャリアにも臨機応変に対応してもらいたいと思います。
結局、契約者名を私に変更し、毎月の利用料金をご本人の口座に設定して、2時間半の長丁場でしたが、契約まで完了させました。
ちょうどその日がご本人の誕生日だっということもあり、私も意地で契約まで完了させたということもありますが、何よりもご本人が喜んでくれている姿を見れて、良かったと感じました。
私が成年後見のことで、色々と相談する司法書士に話すと、ヘルパーや施設関係者、後見人等のそれぞれの業務の隙間なので、誰が行うべきかという問題はあるものの、自身ならそこまではしないと言われるような内容でした。
今回は裁判所に報告義務のある金額に関するような購入や契約でもあったことから、自らが動いたということもあります。ただ、私も複数の後見業務を抱え、それ以外の業務もあるので、いつも全てに対応できる訳ではないため、対応できる時には積極的に関わり、できない時には支援チームで支え合い、ご本人の意思を尊重しながら、後見業務に対応したいと思います。
これ以外にも、まだまだ色々とありましたが、また、別の機会にでも書かせてもらいます。
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