• 小森智文

尊厳死に関して

 

 一昨日、ALSを患っている方の安楽死について、医師が嘱託殺人の疑いで逮捕されたというニュースがありました。

 今後、日本は高齢化していく中で、普段触れないような話題についても、もう少し、我々も考えるべきだと思います。私自身は、父が亡くなった後に、公正証書遺言を作成するときに、「尊厳死宣言及び代理権付与等公正証書」を同時に作成しております。

 

 私は回復する見込みもない場合や、自分の意志で生活できないような場合には、積極的な治療をするつもりはありません。実際に、7年程前に熱が1週間経っても下がらず、食欲もない状態が続いたので、近くの病院で診てもらい、血液検査を行ったところ、「白血球数と血小板の数値が低すぎて、脳や腸内で出血するようなことがあれば、取り返しのつかないことになるので、即刻、紹介状を出すので、緊急入院しろ」と強く、医師から言われました。その時、私は自宅で母親を介護していたので、今入院すれば、母の面倒を誰がみてくれるのか、まして、私自身は延命措置をしたいと思っていなかったので、入院を拒否しました。

 家で養生しながら、5日後に別の病院で診察してもらい、血液検査も行ったところ、数値の改善はみられるので、即時入院はしなくてもいい、当面は経過観察しましょうということで、暫くの間は1週間ごと1ヶ月間通院し、その後は3ヶ月後、半年後に検診も行いました。幸いにして、一番最初に血液検査したときが、最高潮に悪かっただけのようで、その後は、何ら問題もなく生活ができています。


 また、今年3月に母が急に体調を崩した際に、老人ホームから、「救急搬送の依頼をしますか?」ということを聞かれた際に、私は電話越しで「母は痛みの緩和ケアだけをして、延命措置はしないで欲しいと、常日頃から話し合って来ましたので、救急搬送はしません。」と言い、すぐに母の元に駆けつけました。施設側とは、2年前に体調を崩した際に、看取りの同意書を提出していたこと、また、母本人が施設の職員に対して、「延命措置を望まない」という意思表示をしていたこともあったので、そこで揉めるようなことはありませんでした。

 私が電話をもらって1時間後に駆けつけた際に飛び込んできた母は、目は開いているものの、呼びかけには反応はなく、ただ、痰などで咳き込んで苦しんでいる姿でした。仮に、救急搬送していたら、管を通すために、気管支等を切開され、まさに本人が望まない延命治療をされていたと思います。

 母のベッドの側に付きっきりで見守っていましたが、母の容態を見ていて、措置をしないことが正しいのかという葛藤がありました。私の場合は、兄2人が知的障害者ということもあり、治療などの最終判断は私一人で決める必要がありましたので、大変な重圧がありました。

 ただ、私が到着してから4時間後、母はいびきをかいて眠り、そのいびきの間隔が無呼吸症候群のように1分以上の間隔だったので、このまま、苦しまずに亡くなるのが、母にとっては幸せな最期と思い、そっと見守ると、いびきが聞こえなくなり、そのまま永眠しました。


 私は一昨日のニュースを聞いた際に、ご本人や、そのご家族のお気持ちが、それぞれ分かる気がしました。

今後、高齢化に伴い、医療費増大することを問題視するのであれば、死をタブー視するだけでなく、「安楽死」や「尊厳死」ということについても、しっかりと議論を行っていくべきだと思います。

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