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執筆者の写真小森智文

マイナンバーカードの保険証利用?

 先月末に、久々にマイナンバーカードを、代理で役所に受け取りに行きました。

 私が今年補助人を務めている方の自宅を訪問し、郵便物の中身を確認していたところ、マイナンバーカードの受取通知書があったため、急遽予定を変更して、マイナンバーカードの受け取ることに決めました。

 まずスマホで市役所のホームページをすると、5月1日以降は完全予約制と書いてあったため、電話をしたところ、本庁であれば予約なしに当日でもできると言われ、まず不信感を抱きました。

 電話を掛けた際にも、最初に「私が補助人をしている方のお宅を訪問した際に、受取通知書が届いていたので、委任状を書いてもらっている」と伝えたのにも関わらず、「補助人の場合は、登記事項証明書の代理権目録に記載がありますか?」と言われました。私が単に補助人という資格だけで受け取ろうとすれば、当然に代理権目録に記載がなければならないでしょうが、「委任状を書いてもらっている」ということを伝えているにも関わらず、全く話が噛み合っていませんでした。

 最終的には、私から「委任状があれば、基本的には誰でも受け取れるので、代理権目録は関係ないのではないか」という指摘をしたところ、数分待たされて、「問題ありません」という回答でした。役所で専用窓口の電話対応であるならば、しっかりと「委任状」や「成年後見制度」のことを理解しておいてもらいたいと思います。

 また、受け取りに行ってからも、本人確認書類が代理人の場合は、補助人も2点、受取人も2点必要と言われました。私はマイナンバーカードと運転免許証を提示し、それをコピーしている姿を見ると、一体、何のためのマイナンバーカードというものを作られせているのか疑問が湧きます。

 マイナンバーカードも、運転免許証も、ともに行政機関が発行した正式な身分証明書にも関わらず、特にマイナンバーカードなら、それが本物かどうかは端末にかざすだけで、分かるはずであるものをわざわざコピーを取るというのであれば、税金の無駄遣いとしか言わざるを得ません。

 このマイナンバーカード制度に不信感を抱くのは、3~4年前に、成年後見人を務めている長兄のマイナンバーカードを受け取りに行った際に、長兄分は暗証番号設定はしてもらえず、次兄の場合は何ら問題なく設定でき、今回、補助人という立場で委任状を持って行けば、設定ができるという、一貫性のなさにも問題があると思います。

 また私は行政書士で、補助人という立場もあって受け取りに行ったにも関わらず、受取人との関係性は「知人」としか記載されないというのは、行政は成年後見制度をどのように捉えているのか、疑念を感じてしまいます。


 そして暗証番号は5年、カードの有効期間も10年で、これから高齢化が進み、寝たきりになり写真撮影も難しくなり、委任状も書けない人も増えていくことが確実な中で、今のような杓子定規の運営形態を維持しながら、これを健康保険証に推し進めようとしている政治家たちは、全く現状も分かっていなければ、将来を見据えていないとしか思えません。

 施設入所者の場合は、施設に健康保険証を預けていますが、今後、マイナンバーカードが保険証を兼ねるということになれば、マイナンバーカードを施設に預けるというのでしょうか?

 私は複数の方の後見人、保佐人、補助人をしていますが、本人に管理を任せていると、福祉関係の手帳や受給者証を紛失したということが、たまにあります。ICカードに様々な情報が詰まったマイナンバーカードを本人保管にすることは、もしどこかで紛失してしまえば、個人情報の漏洩にも繋がると思います。


 マイナンバーカードは総務省、高齢者や障害者の管轄は厚生労働省の管轄だからという縦割りではなく、誰一人残さない世の中にするというのであれば、健常者目線で物事を進めるのではなく、弱者である人たちにとっては、どのような配慮が必要なのかということをしっかりと確認し、配慮していただきたいと声を大にして言いたいと思います。


 今後、人手不足が深刻化してくること、情報のデジタル化が進めば、マイナンバーカードに、運転免許書などの各種証明書、金融機関やクレジットカードなどの情報との紐づけ、最終的には交通系ICカードも紐づけされるということになれば、全ての人の行動を把握するという時代になってしまい兼ねないと思います。

 私が中学生の頃に、このマイナンバーカードの前提となる「国民総背番号制度」という議論がありました。この議論が潰えたのは、国家が個人を監視するようなネーミングだったから反対にあったと推察するのですが、当初の導入目的から、少しずつ枠を拡げ、国民生活が便利と見せかけつつ、国家が国民を監視する世界になるような気がするのは、私だけでしょうか・・・


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