• 小森智文

おひとり様の手続

 私には兄2人がいるものの、知的障害者で、私が成年後見人を行っているため、私が亡くなったときに、兄達を頼ることができないため、「おひとり様」と同様に捉えて、将来のことを考えています。

 私は父が他界した8年前に、友人に遺言執行者になってもらい、「公正証書遺言」を作成しています。

しかし、遺言書は、葬儀が終わった後に、私の預貯金等の財産を、どう処分するのかというものでしかありません。私の葬儀の手配や納骨、住んでいる自宅の電気・ガス・水道などの公共料金、インターネット回線や携帯電話等の諸々の解約手続を行ってもらうためには、遺言書の遺言執行者の権限では行えません。

 これら諸々の手続を行ってもらうためには、「死後事務委任契約」という別の契約が必要になってしまいます。私の場合は、「公正証書遺言」を作成したときに同時に作っておきました。


 ただ、この「死後事務委任契約」の受任者でも、できないことがあります。それは「死亡届」の提出です。死亡届は、「親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,後見人,保佐人,補助人,任意後見人,任意後見受任者」などでなければ、提出できないと法律で定められています。

 相続手続を解説した書籍などには、「家屋管理人」の部分を拡大解釈して、マンションにお住いの場合は、マンション管理人や、病院でお亡くなりになった場合は病院長に、届出人となってもらうようにする旨が書かれていました。

 死亡届が提出されなければ、火葬はできません。また、戸籍謄本等へ亡くなった事実も記載されなければ、相続手続も進みません。私の場合は、形式的には被後見人である兄の名前で、届出がなされるのかなと漠然と思っています。



 さらに、金融機関との取引口座が多い方の場合は、注意が必要な点があります。金融機関などの手続の場合は、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍等が必要になります。金融機関の手続に行く度に、戸籍等の束を提出し、確認をしてもらわなければなりません。

 その面倒さを解消するために、法務局が2018年から法定相続情報証明制度というものを創設しました。これを利用すれば、戸籍の束を持ち歩く必要がなくなるのですが、この作成を依頼できるのが、法定相続人だけです。

 私もそうなのですが、あまり使用頻度の低い口座は解約し、できるだけ口座をまとめておくことも必要かと思います。


 近年は通帳が廃止され、インターネット上で取引履歴を確認するようになっています。また、取引自体も実店舗のある金融機関ではなく、インターネット専用銀行を利用されている方も多くなってきていると思います。

 インターネット銀行を利用している場合などは、親族が遺品を探しても発見できないこともあるかと思いますので、どこの銀行と取引をしているかをわかるようにしておくことも大切です。 

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